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ゲロと別れてから宿を替え、さらに1週間くらいヴァシストに滞在していた。 ぼくのひとつの場所に滞在する期間としては長い方だ。 いわゆる沈没型のバックパッカーは一つの場所に3ヶ月や半年、1年もいるという。 ここヴァシストも沈没型の人が多いみたいで、食料と灯油を買い込んで真冬を山小屋で過ごしたなんて人もいた。 あたり一面が雪で覆われるので水の心配はまったくないそうだ。 2ヶ月間誰とも会わない暮らしとはどんなだろうか。 五感がめちゃくちゃ発達しそうだ。 ここに滞在中にteru君という日本人に出会った。 曲を作り歌をうたいながら旅をしている彼はギターをはじめて2ヶ月だというが抜群のセンスの持ち主で、ものすごくインスピレーションを受けてしまった。 気持ちのよさそうな日なたを見つけるとそこに座り込み、1時間でも2時間でも彼は基本練習からはじまり熱唱に終わるトレーニングを続ける。 横に座っていると澄んだ山の空気や大自然の粒子のひとつぶひとつぶが彼のギターと口を通し音となってぼくの耳に到達してくるのだ。 そんなオーラで光り輝く彼なのだが、ぼくのへたくそな旅のスケッチを面白がってくれて、いろいろと行動をともにするようになった。 有料の温泉にまったく満足しなかったぼくは、意を決してローカルの温泉に行ってみた。 行ってみると本当に地元の人であふれかえってた。 ロッカーはおろか脱衣室さえもない露天風呂なので壁の衣類掛けに荷物をひっかける。 衣類掛けの数を増やすためか4面ともブロックの壁だ。 不潔と聞いていたが、それは想像以上だった。だって温泉が白いもの。 蛇口から出ているお湯が透明なので、この白は温泉本来の色ではない。 人の垢なのだ。 体かゆくなんないかなーと思いつつどぶんと入ってみると、思わず「おおお」と声が漏れてしまった。なんたる気持ちよさ。 山岳地帯にきてこんなに体がほかほか暖まったのは初めてだ。 間違っても温泉の湯を飲まないように細心の注意を払いつつ目を閉じ、ひのき風呂をイメージする。 外気の冷たさもまた気持ちよいではないか。 ローカルの温泉に行ってきたことをteru君に話したら、彼もよく利用しているとのことだった。 湯の不衛生さについてぼくが言及すると、風呂のお湯は毎朝5時に全取っ替えされるので、その時間に行くとお湯はきれいなのだが、わずか2時間で白色化してしまうそうだ。 毎日取り替えられているのなら、見た目よりは(科学的に)清潔なんだろうけど、逆になんであんなにも湯が白くなってしまうのだろうか。 きっと、インド人はルンギー(腰巻き)のまま入るからなんだろうな。 洗濯も兼ねてるからね。 インド女性はサリーのままはいるからか、女性用の温泉の汚さはさらにすさまじいらしい。 なるほどと思い、朝早くに温泉に行こうと試みたが寒くてどうしても寝袋から出られなかった。 ヴァシストの夜は本当に冷えるので深い眠りになかなかつけない。 明け方はいつも意識はあるけれど体は眠っているという状態なのだ。 それでも温泉に入れるのはうれしくその後も何回か日中に白濁温泉へと足を運んだ。 teru君は夜明け前の寒空の下一番湯を目指して温泉に向かうのだが、いつもひとりの同じおっさんが先に湯に入っていると言う。 そのおっさんは湯から顔だけをだして気持ちよさそうな顔をしているのだが、よくみるとあぐらをかいたまま、あおむけに浮かんでいたそうだ。 おっさんにジェスチャーで「おまえもやってみろ。」といわれteru君はその技に挑戦するのだが、どうしても体が沈んでしまう。 その日から毎朝おっさんと一緒に風呂にはいり技を盗もうとするteru君だったがやっぱりからだが沈んでしまう。 でも、ある日とうとうからだが浮いた! と、思ったらなんとおっさんが自分はあぐらをかいて浮かんだまま足先でteru君の背中を支えていたのである。 こんな摩訶不思議な人間が普通にいるからインドは面白い。 「あぐらをかいたまま水に浮かぶことが出来る」という特殊な身体能力もさることながら、「あぐらをかいたまま水に浮かんでみよう」というその発想に心惹かれてしまう。
by amadylan
| 2006-10-11 19:40
| 旅(回想録)
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