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峠をいくつも越えて辿り着いたその村は小高い山の上に位置し、わずかながら山肌が見える場所には民家が点在しているが、それ以外はあたり一面濃い緑に覆われている。 とんでもない山奥だけれど道路端で遊ぶ子供達、談話する大人達ともに穏やかな笑顔をしていて首都バクーのような寂しい感じはない。 民家を囲う石積みの塀には木々の木漏れ日が映り込み山を抜ける乾いた風にゆれ動く。 のどかな田舎の風景に心が落ち着く。 こんな空気は(パキスタンの)フンザ以来だなと思い当たる。 村に到着するとアゼルは、自分の家族を紹介してくれた。 かわいい奥さんと子供、どっしり構えた母親、親戚の親子が笑顔で僕たちを迎えてくれた。 彼の家は大きくて立派でそしてモダンでもあった。 3つの部屋をつなぐフローリングの幅広い渡り廊下には外気を遮る壁はなく南向きに面しているので日中はひなたぼっこをしながらゴロゴロする、そんなステキなスペースだった。 英語をしゃべれるのはアゼルだけだったので彼の家族とは身振り手振りだけのコミュニケイションだ。 アゼルの娘はもじもじしてお父さんの影に隠れるようにもの珍しい日本人の様子をうかがっていたが(とりわけモリくんに)すぐになついてきて、アゼルが家のまわりの案内をするときにはずっとモリくんのあとをついて回るほどになっていた。 養蜂業を営む彼の家の道路に面していない裏手側には日が地面に差し込む広葉樹の林が広がり、蜂箱がそこかしこに置かれている。 林の中に置かれたトレーラーの荷台にも100個以上の蜂箱がぎっしり積まれていたりして、随分と広範囲に渡って蜂箱は置かれている。 全部彼の土地なのだろうか。 林を抜け親戚や友人宅に僕らを紹介しながら小高い丘の上にある(おそらく)村唯一のカフェでお茶をする。 ここでは村人全員が知り合いの様で強面の男達が夕日を見ながらまったりくつろぎ世間話に花を咲かせていた。 ここでもアゼルはぼくらをいろいろな人に紹介したが、どうも日本人を連れて来たことがかなりの自慢らしい。 中央アジアに入ってからお茶と言えばウーロン茶やほうじ茶っぽい味のものが主体だったが、アゼルバイジャンではかなり紅茶に近い味だった。カフェでは角砂糖も一緒についてきた。 アゼルは角砂糖を前歯で噛んで固定させ、そのまま紅茶を口に流し込む。砂糖の甘さが一番引き立つ飲み方だそうだ。 その日の夜は最高においしいハチミツとパンが中心の夕食。アゼルとモリくんが英語で会話をする様子を家族がニコニコしながら見ている。一家団欒の食事風景よきかな、よきかな。 アゼルはぼくらの旅のはなしにも興味があった様だが、自分のこれからの事業展開の夢についても話してくれた。 彼はインターネットにも明るい様で(当時ぼくはパソコンすら持っていなかった)それを使って海外での蜂蜜の取引をしたいと思っているとのこと。 彼はぼくら以外の外国人も村に連れて来たことがあったと言っていたが、そういう夢があるからこそ外国にも強い興味があるのだなと納得した。 その後ぼくもモリ君も悲しいかな彼との連絡は途切れてしまったのだが、現在アゼルバイジャンの蜂蜜がおいしいことは広く知られている。 彼の夢がかなっているんじゃないかな。
by amadylan
| 2012-11-10 20:26
| 旅(回想録)
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